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南海トラフ地震がいつくるのかと思うと怖いよ!
備蓄とか進めておいたほうがいいのかな?
やはり地震は心配だよね。
今や南海トラフ巨大地震の今後30年以内の発生確率が80%と言われているから、何か準備しておきたい気持ちはわかるけど…
備蓄よりもまずは身を守ることを先に考えたほうが良いです。
怪我をしたり命を落としたりしたら備蓄は何の役にも立ちませんから。
だからまず家屋の耐震化、次に家具の固定です。
はじめに:最も大事な「揺れ」への準備
地震対策で最も重要なのは、言うまでもなく「揺れ」に対する備えです。
それは揺れによってあらゆる物が凶器に変わるからです。
建築物、照明器具、窓ガラス、家具、調理器具、ストーブ、ブロック塀その他諸々は、適切に処置していないと揺れによって人を傷つけることになります。なので、そうした人工物が凶器にならないようにするというのが最初に行うべき準備です。
その中でも、人間に最も大きなダメージを与えるのが、耐震化されていない建物です。
家屋倒壊の危険性については、こちらの記事をご覧ください:
→家の倒壊がいちばん怖い。地震への備えは“住まいの安全性”から始まる
次いで危険なのは固定されていない家具。
本記事では、家屋の固定について解説します。
家具固定の大切さを過去事例に学ぶ
6千人以上が犠牲になった阪神淡路大震災では、建物の中でけがをした人の約半数(46%)は家具の転倒、落下が原因だったという調査結果が報告されています(内閣府 できることから始めよう!防災対策 第2回)。
災害時の怪我は平時に比べてとても深刻です。詳しくはこちらをご覧ください:
→災害時の怪我は想像以上に深刻──自分も周囲も守る「怪我をしない備え」が最も大切
その他にも、家具の下敷きになって圧死したり、家屋から脱出できないまま火災に巻き込まれた例も数多くあったとされております。
また、「震度5強」とは「固定していない家具が倒れることがある」(気象庁震度階級)とされている中で、我が国では、その震度5強以上の地震が2015年から2025年までの10年間で59回も発生しています。(気象庁震度データベース検索)
だいたい2ヶ月に1回くらいは、日本のどこかで震度5強以上の地震が発生しているということ!
家具が倒れることによる直接的な怪我だけではなく、避難経路を塞がないようにするためにも家具を固定しておきましょう。
なにしろ、自分の備えが不十分なために小さな子供が家具の下敷きになるのは絶対に避けたいですよね。

固定していない家具はこうなる!
少し古い動画ですが、家具を固定していない場合と固定した場合の比較がよく分かる動画です。いかに家具固定が重要かがおわかりいただけるのではないでしょうか。
以上を踏まえ、ここからは家具固定の具体的方法について紹介していきます。
家具の転倒・飛散防止
背の高いタンス、冷蔵庫などの転倒防止措置
いくつかの方法がありますが、代表的なものは次のとおりです。
重心を低くする
ガラス瓶、大きな食器など重いものは極力下の方に収納し、重心を下げましょう。
突っ張り棒を使用
突っ張り棒は、写真のように壁に寄せて正しい向きで設置しないと効果が発揮できないので注意してください。


また、天井に下からの突き上げに耐えるだけの強度がないと、天井を突き破ってしまいます。強度がない場合は当板などで補強する必要があります。

もし、天井までの隙間が突っ張り棒が入らないくらい狭い場合は、新聞や雑誌を挟んでおく方法もあります。このときも、壁寄りの奥の方へ押し込んでおきます。

転倒防止マット0
家具をわずかに壁側に傾けることで転倒を抑止します。
これ単独では転倒を完全に防止することはできないので、上で紹介した突っ張り棒か、次に述べる壁への固定と組み合わせて使用しましょう。

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L字金具などによる壁への固定

L字金具を使って壁に固定するのもとても良い方法です。
金具の使い方を工夫すればより強固に固定できます。


転倒防止マットと組み合わせて使用すると更に確実です。
あと、壁に穴を開ける場合は石膏ボードしかないところにスクリューをねじ込んでも簡単に抜けてしまい効果が発揮できないので、「下地探し」で間柱や梁のあるところを探します。

ウチ、賃貸だから壁に穴を開けられないんだ
壁に穴を開けずに粘着シートを使う方法もあります。

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ただし、壁の凹凸によってはネジ締結ほどの強度は発揮できませんから、決してこれを過信することなく先に述べた転倒防止マットと組み合わせて使用すればさらに確実です。
なお、粘着シートは退去時に剥がせるタイプを選ぶとよいでしょう。
粘着ジェル

タンスや本棚の裏に貼り付けます。ただし、壁側に貼らないと意味がありません。

また、床がフローリングの場合なら使用できますが、畳や絨毯では使用できません。
水洗いすれば何度も使用できるのが特長です。百円均一でも手に入ります。
食器棚の中身の飛散防止
飛び出してきた食器が割れるのを防止するため、揺れると自動的に扉にロックが掛かる装置が市販されているので取り付けておきましょう。商品名は「耐震ロック」とか「耐震ラッチ」など色々あります。ただし、当たり前ですが扉を閉めておかないと機能しないので、普段から閉めておくように習慣づけましょう。

また、食器棚の中で食器が滑って暴れまわるのを防ぐため、ノンスリップマットを敷いておくと良いです。ノンスリップマットは百円均一で購入できます。更に、食器を収納する際も(形状によりますが)できるだけ重心が低くなるよう、伏せて置くとより安定します。

窓ガラスの飛散防止
建物の歪みや激しい振動で窓ガラスが割れても、ガラスが飛び散らないようにフィルムを貼ると有効です。手間はかかりますが、ガラスの破片で怪我をしてしまうとその後の避難に支障を来すことになるのでぜひ済ませておきましょう。
地震と同時に停電で真っ暗になってしまうこともあるので、ガラスが飛び散った状態では怖くて歩けませんよね。特に寝室は最優先で準備を備えておくことをお勧めします。
詳しくはこちら:
→実は寝室がいちばん危ない!? 地震対策は“寝室防災”から始めよう
固定すべき家具の高さ
ところでさ、どれくらいの高さだと固定しなくちゃならないの?
テレビボードは低いから転倒しないよね?でも洋服ダンスは倒れそう。
どうやって判断したら良いのかな。
高さだけでは一概に言えません。
安定度は高さに対する奥行(または幅)で決まります。
2010年に消費者庁が「本棚等の転倒防止策について」で転倒防止措置を施すべき家具の奥行きと高さの基準を示しています。
その基準によると、次の数式を満たす場合には壁に固定することが推奨されています。

ぜんぜんわからん。日常で使える形にしてくれないと。
ですよね。そこでこの式を少し変形して、実用的な早見表にしてみます。
この表から、家具の高さごとに表に示した奥行が確保できなければ、壁への固定が必要であると判断してください。

例えば、高さ140cm(大人の胸の高さくらい)の本棚があったとして、もし奥行きが47cmに満たなかったら固定が必要、と読みます。
ただし、この数字は飽くまでも目安です。
重心が高かったり、内部で重量物が動き回るような場合は転倒しやすいので固定した方が良いですね。
転倒防止以外の工夫
転倒防止措置をしたからといっても、100%安全ということはありえません。
さらに次のような対策を講じておけばより安心でしょう。
家具の重心を低く
重いものは下に、軽いものを上に置くように心がけましょう。
飲料水、瓶入りのお酒、陶器、図鑑、ハードカバーの本など重量のあるものを上の方に置くと、家具が不安定になるだけではなく落下したときの被害が大きくなります。
書棚からの本の雪崩防止
書棚に収納してある本は、地震の揺れで一斉に落下してくることがあります。
もし、床に布団を敷いて寝ている場合はそれらの本が高低差を持って落下してきます。
固い表紙の本でなくとも、仰向けに寝ている顔面に落下してくれば怪我の原因になります。
そこで、揺れに対して本が書棚から飛び出してこないようにするため、奥側へ傾けておくといった工夫をすると良いでしょう。

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賃貸でも壁に穴を開けていい場合がある
自治体によっては、公営住宅で家具の転倒防止のためであれば、(事前に許可を得た上で)金具を用いた壁への固定をしても原状復帰義務が免除される場合があります。
→賃貸住宅における家具の転倒防止措置の促進について(周知依頼)
自治体ごとに異なりますし、公営住宅に限定されるところには注意が必要ですが、お住いの地域で調べてみると良いでしょう。
まとめ
ここまで、家具を固定する方法に加え、その他の家具転倒防止方法について紹介してきました。
大事なことは、複数の方法を組み合わせてより確実な転倒防止を図ることです。
地震対策の第一歩は、避難や備蓄ではなく、まずは「死なないこと」「怪我をしないこと」。特に愛する家族を守り抜くためには、今すぐにでも取り掛かっていただければと思います。
地震はいつ来てもおかしくありません。発生することを前提に備えを進めておくことが大事です。
あわせて読みたい:
→実は危険がいっぱい!?地震対策はまず寝室から
→家の倒壊がいちばん怖い。地震への備えは“住まいの安全性”から始まる