災害発生時の対応

外出時の地震対策!ケース別に学ぶ生き残るための安全行動

どうも!Mogera47です!
自衛隊で15年、防災航空隊で10年、自治体の防災課で2年、と災害対策一筋でやってきた防災士です。

外出中に地震に見舞われたらどうするんだろう??

自宅とは違った対応が求められるね
人混みの中だと群衆雪崩にも気をつけないといけないし

地震はいつ、どこで発生するかわかりません。職場を含め外出先で遭遇することも十分に考えられます。そこで今回は、外出中に地震が発生した場合の適切な行動について解説します。

街中で地震が起きた場合

ビルや建物が立ち並ぶ市街地で地震が発生したとき、まずは次の行動をとりましょう。

落下物に注意する

看板やガラス、屋根瓦などが落下する危険があるため、建物の外壁から離れ、できるだけ広い場所へ移動してください。ガラスはその高さの半分くらいの距離まで飛散すると言われています。

カバンや手荷物で頭を守る

何でも良いので手荷物なので頭を守りましょう。
何もない場合は腕で頭を覆い、落下物から身を守ります。

ブロック塀や自動販売機から離れる

ブロック塀は倒壊する危険があるため、すぐに距離を取ります。2018年の大阪北部地震では、倒れたブロック塀の下敷きになって小学生の女の子が亡くなっています。

ショッピングセンターなど建物内にいる場合

天井や装飾品の崩落の可能性があります。次のように行動しましょう。

頭を守る

壁や太い柱に身を寄せてしゃがみ、カバンなどで頭を守ります。このとき、カバンを頭の上にただ乗せるのではなく、握りこぶし程度の隙間を空けて持つと、この隙間がクッションになり落下物からの衝撃を緩和できます。

買い物かごで頭を守るという方法もあります。

その場で低くなり、揺れが収まるのを待つ

慌てて移動すると転倒やパニックの原因になります。周りがパニックになっても引っ張られることなく冷静を維持してください。慌てるとその後の判断を誤ることになります。

商品棚から離れる

商品が雪崩を打って落下してきます。特にガラス瓶やガラスのショーケースから離れましょう。

慌てて出口に殺到しない

慌てて出口に殺到すると群衆雪崩の原因になります。係員の指示に従いましょう。

因みに、人口密度が1平方メートルあたり5人を超えると群衆雪崩の危険があると言われています。人口密度が多くなってきたら、体の向きを他の人に対して90度横を向けるか、胸部に隙間を作るように腕でガードして呼吸を確保してください。特に子どもは抱っこかおんぶをして顔が外に出るようにします。

群衆雪崩の例

過去には、兵庫県明石市の花火大会(2001年)や韓国・梨泰院(2022年)で大規模な群衆事故が発生し、多くの犠牲者が出ました。

エレベーターに乗っている場合

移動先の全ての階のボタンを押す

エレベーターは地震が発生すると基本的には最寄りの階で自動停止しますが、念の為全ての階のボタンを押し、最初に停止した階で降ります。

閉じ込められたら

揺れが非常に強い場合は、エレベーターは安全確保のためフロア間で緊急停止することがあります。この場合は閉じ込められますが、落ち着いて備え付けのインターホンで管理会社と連絡を取り、救助を待ちます。パニックを起こさず、根気よく待ちましょう。停電が発生しても非常用照明が点灯するため真っ暗になることはありません。

なお、大きな地震の場合は、交通渋滞や同時多発した緊急停止事案対応などのため技術者の到着が遅れたり、また救助隊も多数の事案に対応するためすぐには到着できないかもしれません。

こういうことを考慮して、普段から便意を我慢したままで行動しないよう習慣をつけておくと良いでしょう。

地下街にいる場合

地下街は地上に比べて揺れが小さいので比較的安全と言えます。停電しても非常灯があるので暗闇になることはありませんが、避難時は群衆雪崩に注意してください。

バスに乗車中の場合

急停止や揺れで転倒する可能性があるため、手すりやつり革をしっかり握ります。

また、車内アナウンスに従う乗務員の指示を待ち、冷静に行動しましょう。

列車・地下鉄に乗車中の場合

列車の場合は軌道に異常がないことが確認されるまでは、または停電すれば車両は停止したままとなります。この場合車両内に閉じ込められることになりますが、大変危険なので指示がない限りドアを開けて線路に降りてはいけません

車を運転中の場合

急ブレーキをかけず、周囲の車に注意しながら、徐々に減速し路肩に停車します。交差点を避けて左側に寄せエンジンを停止。駐車場や空き地があればそこに移動しましょう。
次にラジオなどで最新の地震情報や避難指示を把握します。

津波の恐れがあるなど避難が必要になった場合は、緊急車両の通行の妨げにならないよう、車を左側に寄せてエンジンを止め、車を捨てて徒歩で避難します。このとき、救助活動の妨げにならないようにキーを付けたままドアをロックせずに避難します。

海岸付近にいる場合

地震が発生した後、津波が発生する可能性があります。
揺れが収まったら、できるだけ早く海岸から離れ、標高の高い場所へ移動します。
スマートフォンやラジオで津波の情報を確認してください。

また、津波は繰り返し襲ってくる可能性があるため、安全が確認されるまで決して海の近くに戻ってはいけません。

まとめ

外出中に地震が発生した場合は、

  • まずは頭を守る
  • 揺れが収まるまで無理に移動しない
  • 周囲の危険を避ける
  • 落ち着いて正確な情報を得る

これらの基本を押さえておくことが大切です。
日頃から「もしもの時」を具体的に想像し、冷静に行動できるように心構えをしておくことが大切です。

なお、在宅中の地震対応はこちらをご覧ください。

「もっと備えておけば…」と後悔しないために!防災のプロが厳選する本当に必要な地震対策

ABOUT ME
もげら47
自衛隊で大型輸送ヘリの機長として15年勤務。その間、震災や林野火災など数多くの災害派遣に出動。その後消防防災航空隊に転職し、消防防災ヘリの機長として、10年以上にわたり山岳救助、空中消火活動などに従事。 次いで2年間地方自治体の防災課で防災関連の事務事業を推進するなど、防災一筋の人生。 現在はこうした経験を活かし、防災士ブロガーとして防災関連の情報を発信しています。 【保有資格】 ・防災士 ・事業用操縦士(回転翼機+飛行機) ・航空無線通信士 ・乙種第4類危険物取扱者 ・他
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