どうも!Mogera47です!
自衛隊で15年、防災航空隊で10年、自治体の防災課で2年、と災害対策一筋でやってきた防災士です。
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避難するときって、何か持っていった方が良いの?
避難所には毛布や食料とか揃ってるって聞くけど
確かに指定避難所には防災備蓄倉庫が設置されているから、ある程度の物資は準備してある。
けれども避難所はホテルじゃないよ。避難所運営をするのは市町村職員で、その人達自身が被災している可能性も高いから、人に頼らず、できるだけ自己完結できるよう準備しておいた方が良いよね。
この記事では、避難のときに必ず携行していく「非常持出袋」とその中身をどのように準備しておくか、を解説します。これを読めば、いざというときに困らない非常持出袋を作り上げることができますよ!それではどうぞ。
避難時にもっていく「非常持出袋」はどう準備する?
収納袋に対する着意
目立つ色の物を選ぶ
まず収納袋です。よくある銀色のナップサックでも悪くないのですが、あまり機能的ではありませんし目に見えるところにおいておくのはちょっと、という方は市販のリュックサックでも良いのですが、暗いところでもすぐに発見できるよう、目立つ色のものを選びましょう。

大人は出来れば一人一つずつ
小さなお子さんはともかく、大人はできれば一人一つずつ準備した方が良いです。
保管場所があれば、の話ですが。
例えばお父さん一人で家族4人分のものを持ち歩くよりは重量を分散できるので安全だし、トータルでより多くの荷物を運べます。また、途中ではぐれるリスクも考慮する必要があります。
重量を考え、収納するときは重いものを上に
タオルなど軽いものは下に、飲料水など重いものは上の方に入れるとバランスが取りやすいです。これを逆に重いものを下にすると、背負ったとき姿勢が前傾になるので重く感じやすく、バランスも悪くなるため疲労の原因になります。
また、収納したら実際に背負って歩いてみましょう。あれもこれもと入れたくなるものですが、実際に背負って歩くことができるかどうかを試しておくことはとても重要です。重さは一般的には男性で最大15kg、女性で最大10kg程度と言われています。特に、津波や大火災からの避難では動きやすさが生死を分けることになります。
小分け収納を活用
洗面具、着替え、非常食などのカテゴリーごとに、たとえばチャック付きのプラスチック袋に小分けにして収納すると整理しやすく、取り出しやすいです。また、水濡れにも強くなります。
就寝時は貴重品ポーチを枕元に
財布、マイナンバーカード、免許証、スマホなどの貴重品はポーチなどにまとめて枕元においておくとよいでしょう。
直ちに避難しなくてはならなくなった場合にはそのポーチを「非常持出袋」に収納します。
非常持ち出し物品は最悪の事態を想定して準備しましょう
火災が発生したり、家が津波で流されたりすれば、忘れ物を家に取りに帰ることはできないので、「これは落ち着いたら後で取りに来ればいいか」とは考えず、無いと困るものを真剣に考え、適宜追加してください。

また、避難所はホテルや旅館ではありません。黙っていれば何もかも市役所職員が揃えてくれるわけでもありません。特に発災直後の避難所は「屋根と壁がある、いくらか安全な場所」に過ぎません。だからそういう場所で過ごすことを想定して持ち物を考えましょう。
防災士が厳選!入れておくものリスト
前置きが長くなりましたが、筆者が厳選した非常持ち大物品を紹介します。
多くのものは100円ショップで入手可能です。特に、最近の100円ショップでは「防災コーナー」を設けている場合もあるのでチェックしてみましょう。
なお、内容物は個人の、あるいは家族の状況によって異なるので、それぞれにアレンジしてください。
補給
飲料水
1人分として500mlのPETボトルを2本(1L)程度は入れておきます。重量と容積に余裕があれば追加します。
非常食
栄養補助食品、羊羹、キャンディなど
無いと困る、あると便利
五徳ナイフ
小さくてもいいのでナイフがあれば何かと役に立ちます。ハサミが付いているものが良いでしょう。
LEDライト
両手を空けておけるヘッドライトがお勧めです。
携帯ラジオ+予備電池
ネットが繋がらなくても、停電していても使用できるのがラジオ。ラジオは情報収集の最後の砦です。

メガネ(必要な方)
コンタクトレンズは、断水時に手洗いが満足にできないことや、埃っぽい環境で過ごさなくてはならない場合もあるため、取り扱いが困難になります。日本コンタクトレンズ学会も、被災地では出来るだけ眼鏡に切り替えることが推奨しています。
モバイルバッテリー
連絡を取り合うにも、情報を取得するにも、いまやスマホは必需品です。
そんなスマホのバッテリーが上がったときに備え、モバイルバッテリーを準備しておきましょう。充電式だと100%充電のままで長期間置いておくと劣化しやすいし自己放電してしまうので、乾電池を使用するタイプがお勧めです。
また、手回し式の充電器は使えなくはないのですが、スマホ電池が空の状態から満充電になるまで1~2時間位回し続ける必要があり、やってみれば分かりますがはっきり言ってしんどいしうるさいです。

筆記具+手帳
緊急連絡先のメモ
スマホが電池切れや破損などで使えなくなった場合に備えておきます
家族の写真
家族を探すときに必要になります。
スマホに写真を保存しておくのも良いのですが、バッテリーが上がったら使えなくなるので、プリントしたものが良いでしょう。ラミネートするか、チャック付きのプラスチック袋に入れておけば水濡れや汚損を予防できます。
現金(小銭)
停電していればクレジットカードやコード決済はできません。当座の必需品を購入するくらいの金額は準備しておきましょう。
耳栓+アイマスク
避難所は数多くの人々が集まるので、安眠のために必須です。

エアクッション
空気を入れて膨らますクッションは、体育館の冷たい床の上で座るとき、または睡眠時の枕にと大活躍します。軽量だし小さく折りたためるので邪魔にもなりません。100円ショップで手に入ります。

重要書類の写し
火災保険・地震保険証書、マイナンバーカード、健康保険証、預金通帳、クレジットカード券面等重要書類の写し
ゴミ袋
衛生
軍手または使い捨てのゴム手袋
歯ブラシ、歯磨きペーストまたは口腔洗浄液
プラスチックコップ
リップクリーム
下着の替え
避難所では洗濯ができないと思った方が良いです。
圧縮下着や紙の下着(使い捨て)も市販されています。
タオル
ティッシュペーパー
トイレットペーパーの芯を抜き取って潰したものでもOKです。避難所ではトイレットペーパーは真っ先になくなるので自分用のものを準備しておきます。ビニル袋に入れて濡れないようにしておきましょう。
ウェットティッシュ
普通のウェットティッシュは、長期間保存する内に乾燥してしまいます。非常持出袋には「長期保存用」のものを入れておきます。
ハンドソープ
マスク
消毒用アルコール
小さなスプレーボトルに入ったものが百均で購入できます。
生理用品
生理用ナプキンおりものシート、尿取りパッド etc
救急用品
ばんそうこう、消毒液、常備薬 etc
携帯トイレ
断水している避難所のトイレはとてつもないレベルで汚れます。また、携帯トイレの使い方は事前に必ず練習しておきましょう。
防寒用
使い捨てカイロ
アルミブランケット
「エマージェンシーブランケット」とか「アルミ保温シート」などとも呼ばれます。

ただし、通気性がないので寒いときは内側が結露する
スリッパまたは上履き
冬の体育館では必須です。小さく折り畳めるスリッパが100円ショップのトラベルコーナーで入手可能です。

雨衣
雨を避けるだけではなく風よけとして、あるいは冷たい床から冷気を遮断するための座布団にします。
新聞紙
下に敷いたり、体に巻き付けたり、汚れを拭き取ったり用途は多いです。
乳幼児や高齢者がいる場合
上記に、おむつ、ミルク、紙パンツなどを加えます。
小分けにして整理
上で述べたカテゴリーごとに、チャック付きのプラスチック袋に分けて入れておくと、水濡れや汚損を予防できるし、整理しやすいです。
一つずつ揃えるのは面倒!
多くのものはホームセンターや100円均一ショップで販売していますが、全部揃えようとすると一つの店舗ではなかなか完結しません。よって満足の行くものが出来上がるまでは何店舗かハシゴしなくてはならないことも。
しかもいざというときちゃんと機能するかどうか、買ってみないとわからないものもあります。
面倒くさくなってきましたか?その気持ち、とても分かります。
そういう人は市販の防災セットを購入することも一つの案です。
防災士が厳選、監修し、最初からオールインワンでもれなく揃っているだけではなく、リュックサックそのものにも拘って選んでいるため安心ですね。
定期的な見直し
非常持出袋は一度揃えたら終わり、ではありません。季節が変わるごとに見直すことが重要です。夏と冬では準備するものに違いが出てきます。このとき併せてラジオの機能点検をしたり、非常食の賞味期限を確認しましょう。
実は恥ずかしながら筆者も2、3年放置していて、非常食の賞味期限が切れ、子どもが成長して使わなくなったおむつを入れっぱなしにしていたこともありました。
このとき、自宅の災害備蓄も一緒に見直すと更に良いですね。このとき家族全員で行うことがとても重要です。そうしないと、非常用持出袋も災害備蓄も、準備した人がいないと他の家族がこれらがどこにあるのか、何が入っているのか分からないということになってしまうからです。
なお、備蓄についてはこちらの記事も御覧ください:
ところでどういうときに避難するの?
避難とは「難」を「避ける」ことなので、自宅が安全だと判断すれば「在宅避難」を選択します。一方、自宅に留まることが危険だと判断される場合に、自宅を出て避難する必要があります。
詳しくは別の記事でご案内予定です。
まとめ
今回は、非常持出袋について紹介してきました。
「非常時に持ち出すもの」は避難先で必要になりそうな必要最低限のものを準備しておきます。この際、次の点に留意しましょう:
- 火災が発生したり、家が津波で流されたりすれば、忘れ物を家に取りに帰ることはできない
- だからといって、避難行動に支障が出るくらいたくさん入れすぎない
- 定期的に見直す
たくさんのものを一つずつ買い揃えるのが大変という場合は、最初からひとまとめになっているものを購入する方法もあります。内容物は非常に良く考えられています。