災害が起きると色んな情報が飛び交うよね。
何を信じてよいやら…。
災害に限らず、昔から非常時になるといろいろな情報が錯綜しやすいよね。
デマだと知らずに善意で拡散してしまうパターンもあるし、面白半分でデマを拡散する人もいるし。
デマに踊らされたり拡散しても誰も得をしないので、とにかく冷静になることが大事だよ。
本記事では、災害時にデマに惑わされず、冷静に行動するためのポイントについてお伝えします。

災害時はなぜデマが広がるのか?
災害が発生すると、私たちは普段とは異なる緊張状態に置かれます。このとき人々は安心を求めて情報を求めます。特に情報がないことへの不安から、信憑性を確認せずに情報に飛びついてしまいます。
そうした中で「役に立ちそうな情報」に見えるものは、「皆に知らせてあげたい」という「善意」で安易に共有してしまいます。
今日ではSNSやメッセージアプリなどの便利なツールが情報拡散の手段となり、事実確認されていない不確実な情報が一気に広がることがあります。
このようにして、「井戸に毒を入れた」とか「○○の地域で大規模な火災が発生している」とか「この地震は人工地震だった」などといった根拠のない情報が拡散し、社会の混乱を助長します。
デマの事例
昔から、災害の都度ありとあらゆるデマや誤情報が発生しました。そうした例は枚挙にいとまがないのですが、最近の例で悪質なものを紹介します:
熊本地震(2016年)
「近くの動物園からライオンが逃げた」という情報がTwitterで拡散されました。実際にはそのような事実はなく、投稿者は業務妨害の疑いで逮捕されました。当該動物園には問い合わせなどの電話が殺到し業務に支障をきたしただけではなく、警察にも相談が相次ぎました。

東日本大震災(2011年)
コスモ石油千葉製油所の爆発事故に関連して、「有害物質が降る」という誤情報が広まりました。このデマにより、風評被害が発生し、コスモ石油や厚生労働省が訂正情報の発信に追われました。

能登半島地震(2024年)
石川県珠洲市の住所を付した無関係の動画が投稿され、虚偽の救助要請が拡散されました。このデマにより、報道機関や救助機関に混乱が生じ、少なくとも2件の消防出動が発生しました。
デマによる悪影響
社会の混乱
災害時のデマは迅速に拡散し、不安を助長するだけでなく社会に混乱をもたらします。
救助機関や行政への悪影響
上の例で述べた通り、「情報」の種類によっては救助機関のリソースが振り向けられることもあるため、本当に救助を必要とする人々を助けられなくなることもありえます。
デマに惑わされず冷静に行動するためのポイント
災害時は情報が錯綜しやすいと知る
- 災害時はデマが飛び交いやすいものだということを最初からよく認識しておけば、冷静になることができます
公式情報の確認
- 信頼できる情報源(気象庁、市町村の防災情報、警察など)の公式資料から情報を得ましょう。
- 確かな情報が欲しいからといって、安易に市町村役場や都道府県の防災部局に電話するのは控えましょう。そこは発災後に最も忙しくなる部署です。職員がそうした電話問い合わせに忙殺されると住民の安全を守るための他の優先業務の妨げになります。
- SNSでは情報の発信元を必ず確認し、根拠がないものは信じないようにしましょう。
情報のクロスチェック
- 一つの情報源だけではなく、複数の公式な情報を確認しましょう。
- 情報が一致していれば、信頼性はある程度高いと判断できるでしょう。
信頼できる人との情報共有
- XやFacebookなどのSNSは、不特定多数の見知らぬ人々からの発信です。ときには重要な情報収集ツールにはなるけれども、いつも真実とは限りません。
- 家族や友人など信頼できる人と正確な情報を共有することで、互いに冷静な行動を促せます。
デマを見かけたら指摘する
- 明らかに間違った情報を見かけた場合は、拡散しないだけでなく、冷静に誤りを指摘することも重要です。
まとめ
災害時の混乱は避けられません。特に被災地では通信網が機能しないこともあり、情報の真偽を確かめられないことや不安感などからどうしても少ない情報に飛びつきたくなるものですが、ここまで申し上げてきた災害時の特性を覚えておけば、一歩下がった客観的な目で物語を眺めることができるでしょう。
そして、私たち一人ひとりが冷静な判断をすることで、社会全体の混乱を少しでも抑えることができます。正しい情報をもとに、適切な行動を心がけましょう。
それが結果的に命を守ることにつながります。