どうも!Mogera47です!
自衛隊で15年、防災航空隊で10年、自治体の防災課で2年、と災害対策一筋でやってきた防災士です。
今日紹介する防災本は、池上彰さんとメ~テレ報道局スタッフによる「南海トラフ巨大地震から命を守れ!」です。
本書は、2012年から3回、そして2015年5月4日に名古屋テレビで放送した南海トラフ巨大地震などに備える防災特別番組を書籍化したもので、やはり知の巨人、池上彰さんの解説は分かりやすいの一言に尽きます。
![]() | 池上彰とメ〜テレが真剣に考える 南海トラフ巨大地震から命を守れ!【電子書籍】[ 池上 彰 ] 価格:1320円 |

書籍情報
- 書 名:池上彰とメ~テレが真剣に考える 南海トラフ巨大地震から命を守れ!
- 著 者:池上彰
- 出版社:KADOKAWA/角川マガジンズ
こんな人におすすめ
- 近い将来必ず来ると言われる南海トラフ地震について詳しく知りたい人
- 地震防災について真剣に備えておきたい人
- 南海トラフ地震のわかりやすい解説本を探している人
- 自宅の備蓄を見直したい人
本書の着目ポイント
制作が名古屋テレビなので、東海地方をメインに取り上げています。この東海地方は南海トラフ地震で甚大な被害が予想されているだけに、とてもリアリティを感じます。
普段から「わかりやすい解説を」をモットーとしているジャーナリストとしての池上さんは、ものごとを整理し順序立てて解説することがとても上手。図表や写真も豊富で読者にはすんなり頭に入ってくるよう、よく工夫されています。
そして南海トラフ地震の発生メカニズムから、自宅における備蓄の重要性、具体的方法まですっかり理解できるので、すぐにでも具体的な行動に移したくなります、いや、備えずにはいられなくなります。
もげら的注目ポイント
以下に、本書で特に注目しておきたいポイント、印象に残った部分を要約して抜粋します:
- 地震で倒壊しなかった家屋もあるが、なぜ倒壊しなかったのかに注目しましょう。耐震基準が改正された後に建てられた建築物はダメージはあるものの倒壊しなかったものが多いのです。基準改正前の家屋であれば耐震補強工事をすることが重要ですが、これには公的助成を活用します。
- 南海トラフ巨大地震では、数分から十数分で津波が来ることもある。津波から避難してきたら、家に貴重品を取りに戻ってはいけません。東日本大震災ではそれで津波被害に遭った人もいたからです。
- 台所で地震に遭った場合はとにかく避難が最初です。火を使って調理しているときでも急いで火を消すことはありません。普通は自動消火装置が働きます。それよりも煮え立った鍋ややかんのお湯を被って火傷しないようにすること。
- 津波と波浪は違います。津波は海底の地形が変動して発生するため、海面付近だけが動く波浪と違って海底から海面までの全ての水が動く。また、津波で死亡した人たちは津波の漂流物が衝突したり津波の衝撃で胸や腹を圧迫されて呼吸ができなくなって死亡します。
- 非常持ち出し品は季節ごとに見直します。それは夏と冬とでは持ち出すものが異なるため。その機会で乾電池や食料品の期限などを見直しましょう。
- 災害時は電話通信量が急激に増加するため、通信各社は最大80~90%の発信規制をかけることからさらに繋がりにくくなります。こういうときは被災地と離れた場所のほうが電話が繋がりやすくなるので、三角連絡法を確立しておくと良いでしょう。
ちょっと余談
著者である池上彰さんは、防災関連以外にも、経済、歴史、教養など様々なジャンルの書籍を幅広く著しています。私の場合、池上彰さんの著作は経済、宗教、教養関連を先に読んできてすっかり池上先生の崇拝者になっていたところだったので、こうした防災関連の著作を発見したときは、あの知の巨人、池上先生の解説本ならと一も二もなく手に取った次第でした。
もちろん、内容は期待を裏切ることなく、相変わらず池上先生の解説は分かりやすいの一言です。ブログを書く立場である私にとっても、読者にうまく伝えるにはこういう表現が適切なのか、という気づきもありました。
まとめ
難しい用語も、読者が「?」と思う瞬間にちゃんと先回りして説明してくれているので、初心者でも安心して読み勧めることができます。
南海トラフ地震とその対策はこれ一冊で十分といえるでしょう。
一度手にとって、日頃の地震対策に役立ててみてはいかがでしょうか。
モゲラの評価:
実用性:★★★★★
読みやすさ:★★★★★
![]() | 池上彰とメ〜テレが真剣に考える 南海トラフ巨大地震から命を守れ!【電子書籍】[ 池上 彰 ] 価格:1320円 |

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