どうも!もげら47です!
自衛隊で15年、防災航空隊で10年、自治体の防災課で2年、と防災一筋でやってきた防災士です。
今日紹介する防災本は、備え・防災アドバイザー、髙荷智也さん著の「今日から始める本気の食料備蓄」です。(本記事には広告を含みます)
![]() | 今日から始める本気の食料備蓄 家族と自分が生き延びるための防災備蓄メソッド [ 高荷智也 ] 価格:1650円 |

はじめに
「備蓄は大事だと分かっていても、どこまで準備すればいいのか分からない…」「普通の防災対策だけでは不安」——そんな方にこそ手に取ってほしいのが、髙荷智也さんの著書『今日から始める本気の食料備蓄』です。
本書では、自然災害の延長ではなく、全国または世界規模の未曾有の大災害によって発生する深刻な食糧危機を想定し、生き延びるために必要な備えを極めて現実的かつ実践的に解説しています。
これを読めば、「防災は想像力が大事」という言葉の意味がよくわかります。
書籍の基本情報
- タイトル:今日から始める本気の食料備蓄-家族と自分が生き延びるための防災備蓄メソッド
- 著 者:髙荷智也
- 出 版 社:飛鳥新社
- 出 版 年:2023年
- ISBN:9784864109676
著者の髙荷智也さんは、「備え・防災アドバイザー」などの肩書でX、Instagram、YouTubeなどで防災に関する情報発信を行っており、YouTubeの登録者は18万人以上(2025年5月現在)、Xのフォロワーも1.3万人(同)を超えており、防災関連の著書も数多く執筆するなど、防災分野において非常に高い影響力を持つ人物です。
ご存じの方も多いのではないでしょうか。
この本の特徴・ポイント
本書が扱うのは、私たちが日ごろ想定している災害対策をさらに上回る“超・長期的な食料危機”です。たとえば、イエローストーン火山の噴火により世界的な食料流通が崩壊する、という極限のシナリオに基づいたリアルなシミュレーションは圧巻です。
「必要なものではなく、“買えるもの”しか買えなくなる」——そんな混乱の中、冷静さを保つことすら難しくなっていく様子が描かれており、読む者に強い危機意識を与えてくれます。
その対策として提案されているのが「コンテナストック方式」。箱単位で食品を管理するこの方式は、賞味期限の管理や回転がしやすく、大量備蓄の実現に非常に有効です。
また、食料品以外にもポータブル電源、ソーラーパネル、カセットガス、非常用浄水器など、災害下で本当に必要になるアイテムや運用方法も具体的に示されており、すぐに行動に移せる内容が豊富に詰まっています。
印象に残った内容・気づき
個人的に非常に印象的だったのは、食糧危機発生時における人々の行動パターンの描写です。デマに惑わされず冷静でいたいと思っても、目の前から商品が消えれば買いに走らざるを得なくなる現実——まさにパンデミック時のマスク騒動を彷彿とさせます。
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▶️災害発生後の情報収集は何を信じれば良い?デマに惑わされず冷静に行動する方法とは
また、備蓄における着意事項として例えば以下のようなことが解説されており、防災に最も重要な「想像力」を十分働かせた様子が伺え、実用的な内容となっています。
- 「1年の箱」方式で月ごとに消費・補充を繰り返す
- 食料だけでなく、メンタルを支える嗜好品も重要
- 料理の匂いを外に出さないとか、食料の存在を気取られないように最新の注意を払う
- ガスカートリッジの保管方法や届け出基準の解説
ただし、コンテナストックの継続や収納スペースの確保には、コスト面や住環境の制約があるのも事実です。著者は10箱を推奨していますが、自分の状況に合わせて段階的に取り入れていく工夫も必要かもしれません。
この本はどんな人におすすめ?
- 普通の備蓄では不安を感じている人
- 本気で“最悪の事態”に備えたい人
- 家族の安全を長期的に守りたいと考えている人
- 食料やエネルギーの自給力を高めたいと考えている人
特に、すでに防災意識が高い方や、過去に備蓄を試みたものの挫折してしまった方にとって、本書の「コンテナストック方式」は大きなヒントになるはずです。
まとめ|生き延びる準備は“明日”ではなく“今日”から
本書は、単なる備蓄のハウツー本ではありません。私たちが普段あまり意識しない、しかし将来もしかしたら起こりうる「食糧危機」というシナリオを前提に、冷静かつ論理的にどう備えるかを教えてくれる一冊です。
ただし、「略奪や強盗からの防衛」に過敏になりすぎるのではなく、備えていた自分自身が被災して助けを求める立場になる可能性もあることを忘れてはいけません。
防災は“自分だけが生き残る”ためのものではなく、“みんなで乗り越える”ための準備でもあると、私は感じました。
備蓄の第一歩は、気づいた“今日”からでも遅くありません。まずは手の届く範囲から、一歩を踏み出してみませんか?
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