どうも!もげら47です!
自衛隊で15年、防災航空隊で10年、自治体の防災課で2年、と防災一筋でやってきた防災士です。
本日ご紹介するのは、MAMA-PLUG編・著の「防災ピクニックが子どもを守る!」です。
子どもを持つ女性の視点から防災を語った本は意外と少ないですよね。
本書は、そんな「空白」を埋めてくれる一冊です。
![]() | 災害時に役立つサバイバル術を楽しく学ぶ 防災ピクニックが子どもを守る!【電子書籍】[ MAMAーPLUG ] 価格:1100円 |

この本の概要と特色
「子どもを守るために、どんな防災ができるのか?」をテーマに、生活に寄り添った防災の工夫が紹介されています。
特に、災害時に女性や子どもが直面する問題──不潔な環境で懸念される女性特有の悩み、生理用品の重要性、防災の現場で子どもが陥りやすい誤解など、従来の防災書では見落とされがちな視点に光が当たっている点が特徴です。
写真や図がふんだんに使われており、また、炊飯袋を使った簡易調理や「防災ピクニック」など、楽しさを取り入れながら家族全体で防災を考えるヒントも紹介されています。
気になった点・気づき
- 著者の立場や専門性が明示されていないため、「なぜこの人が防災を語るのか?」という疑問が読後まで残ってしまいます。「MAMA-PLUG」という団体名も、その活動内容が本書だけでは掴みづらく、読者が能動的に調べないと分からないのは少し不親切だと感じました。
- 「ハイゼックス」という用語が説明なく唐突に登場し、読者にとっては不親切に感じられる部分もありました。要するに耐熱ポリエチレンの商標で炊飯用袋として防災グッズにも使われているものですが、初見で説明がなければ戸惑う人も多いのではと思いました。
- 文章構成がやや読みづらく、整理されていない印象を受ける箇所がいくつかありました。
とはいえ、実際の体験や生活感に根ざした視点が多く、内容自体は非常に実践的で有用です。
「防災に取り組まない理由があるなら、それを一つずつ潰せばいい」という一文は、心に刺さる人も多いのではないでしょうか。
本書で注目すべきこと・印象に残ったこと
- 女性特有のリスク
津波など汚水に浸かった際、膀胱炎や膣炎のリスクが高くなります。当事者ならではのリアルな内容であり、男性もこうした視点を持たないと、無理解な発言をすることになりかねません。 - 子どもの誤解
避難訓練の際、「上靴のまま園庭に避難する」という指導を「外にいても上靴を履いていなくてはいけない」と誤解していた子どものエピソードが紹介されています。子どもには特に「なぜそうするのか」という理由も含めて教えておく必要があります。 - 寝室の安全を最優先に
阪神・淡路大震災では就寝中の発災による被害が多く、しかもどんなに訓練をしていても、寝ている間に起こる災害には対処できません。 - 共助の力
大災害時、救助された人の62.6%が家族・友人・ご近所など身近な人たちによる救助だったというデータが示すように、大災害時に救助隊による救助を期待するのではなく、普段から共助の基礎を築いておくことが重要です。 - 防災ピクニックのアイデア
防災を「日常」に落とし込むために、ピクニックのように楽しみながら実際に防災用品を使ってみるという工夫が紹介されています。
こんな人におすすめ
- 子どもを育てている家庭
- 女性の視点から防災を学びたい方
- 地域とのつながりを作るきっかけが欲しい方
- 「防災しなきゃ」と思いつつも、どこから始めていいか分からない方
まとめ
やや読みづらさはあるものの、子連れ家庭の視点から防災を考える上で得られるものは多く、日常生活の延長線上にある「リアルな防災」のヒントが多数詰まった一冊です。
読み進めるうちに、日常に防災を「ちょっとだけ」取り入れるヒントが見えてくる。特に親世代や女性視点での災害対策を知りたい人には、一読の価値ありです。
特に、「親子で取り組む防災」に関心のある方や、「防災を通して地域とつながりたい」と考えている方には、十分参考になる内容だと感じました。
※この記事で使用している書影は、著作権法第32条に基づき書籍紹介の目的で掲載しています。著作権は著者および出版社に帰属します。
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