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はじめに|非常食、どこに置けばいいの?と悩むあなたへ
非常食を買ったはいいけど、どこに保管したら良いんだろう?
そういう悩みを持つ人は多いですね。
大事なことは、直射日光を避けて冷暗…
知ってるって!あたりまえじゃない、食料品なんだから
そういうわかりきったことじゃなくて!
なにせ収納スペースが少ないし、地震で家が歪んだり、洪水で家が浸水したら?土砂崩れが起きたら?って考えたら何が正解かわからないよ!
わかりました!
では「家の立地条件」や「避難の必要性」に応じた非常食の保存方法を具体的に解説していきます。
この記事では、こんな「非常食の保存場所」に関する悩みにお応えします。
地震・水害・土砂災害などの災害リスクや住まいの条件に応じて、最適な非常食の保管戦略を診断形式でご紹介。
実際の収納例や、非常食セットの選び方・保存方法まで、防災の専門知識をもとにわかりやすく解説しています。
非常食の保存場所を考える前に──まず最優先すべきことは?
ただ、本論に入る前に、まず立ち止まって考えてほしい大切なことがあります。

それは、「そもそも、あなたの家は命を守れる場所か?」という視点。

どれだけ多くの非常食を備えていても、地震で家が倒壊したり、土砂災害で埋もれてしまえば、それらを使う前に命を落としてしまうかもしれません。
備蓄が活きるのは、“生き残ったあと”です。
そこで、まずは自宅の安全性を次の3つのポイントで評価してください:
- 地震への強さ(耐震性能)
- 浸水リスク
- 土砂災害リスク
地震への強さ(耐震性能)
すごく大雑把に言えば1981年(昭和56年)以前に建てられた家屋の場合は要注意です。更に、お住いの市町村に耐震診断をしてもらうとより確実でしょう。
詳しくはこちらの記事で紹介しています:
→家の倒壊がいちばん怖い。地震への備えは“住まいの安全性”から始まる
浸水害と土砂災害
お住いの地域における浸水リスクと土砂災害リスクの二つは、こちらのサイトで調べることができます:
→重ねるハザードマップ

地図に様々なリスクを重ねて確認できるので、自宅と周辺の災害リスクを簡単に知ることができます。
非常食は2種類ある!在宅用と持ち出し用を分けよう
非常食には、実は2つの種類があります。
- 在宅避難用の備蓄(家が無事な場合に使う)
- 非常持ち出し袋に入れる用(避難が必要な場合に持っていく)
自宅の耐震性や立地に問題がなければ、在宅避難が前提となるため「家に置いておく備蓄」が中心になります。
一方で、避難が必要になる可能性がある立地(浸水・土砂災害の恐れがある場合)は、
非常持ち出し袋として持ち運べる形の備蓄も意識しましょう。
えっと、別々に準備ってこと?
非常持ち出し袋の中の非常食は、もちろん在宅避難時に食べても良いよ!だから兼ねることができる。
でも、在宅避難用の非常食全部を持って避難することは無理だよね。
こんなふうに切り分けて考えると良いと思う。
非常食の保存場所、どこが正解?【診断表でチェック】
そしてようやく本題です。「非常食をどこに置くか。」
じつは保存場所に「絶対的正解」はありません。なぜなら、家屋の状態と立地によって最適解は変わるからです。以下の表を使って、あなたの家庭がどのタイプに当てはまるかを確認してみましょう。
タイプ | 地震に強い | 浸水に対する備え | 土砂災害に対する備え | 想定される対応 |
---|---|---|---|---|
A | ○ | ○ | ○ | 在宅避難前提 どこでも良い;収納重視 |
B | ○ | ✕ | ○ or ✕ | 浸水・土砂注意 2階以上への保管が基本 |
C | ○ | ○ | ✕ | 土砂災害注意。 山から離れた側の2階などに保管 |
D | ✕ | ○ | ○ | 倒壊リスクあり 外部保管・車載も視野に |
E | ✕ | ✕ | ○ or ✕ | 浸水+倒壊に備えて分散 外部保管・車載の併用を。 |
F | ✕ | ✕ | ✕ | 避難前提 非常持ち出し袋+車載備蓄 |
※自宅のリスク判断が難しい方は、ハザードマップポータルサイトで確認を。
よくある悩みと対策アイデア
Q. 狭くて保管スペースがない
A.小型の衣装ケース、段ボール箱、あるいは使わないスーツケースに収納するのはいかがでしょうか。分散配置も有効です。
Q. 食料や水がバラバラで管理しづらい
A.まとめて「非常用ボックス」を作成してみましょう。かっこよく作る必要はありません。賞味期限が見えるように自分で大きく書いたり、ラベルを貼るなどすれば管理も楽です。
Q. 倒壊や浸水が不安
まずは耐震補強を進めましょう。より本質的です。当面の処置として、非常食は2階、物置、コンテナ、車載など分散が現実的です。
筆者の備蓄例【収納写真付き】
もげら家は、上に紹介した表の「A」に相当するので(というか安全な土地を選んで、地震に強い家を建てたので)、保管場所は収納のしやすさを考慮し、非常食を含む備蓄品は1階の納戸と空き部屋の収納に保管しています。

見た目はおしゃれから程遠いですが、機能最優先ですからこれで良いのです。

非常食は、保存期間の長いものは空き部屋に段ボール箱に入れて保管しています。
下の写真はその中身(一部)です。
これら長期保存食は、消費のインターバルが長いという違いはありますが、ローリングストックの対象です。

車に非常食を保管しても大丈夫?【注意点と活用法】
最近は「車に非常食を積む」のも選択肢のひとつになっています。
え!?車の中に食料品を置いておくの?
大丈夫かな…
最近は酷暑環境下でも日持ちする非常食が登場したので、選択肢が増えました。
しかし、誤解しないでください。車で避難することを勧めているわけではありません。状況によっては車での避難もアリですが、避難は徒歩が基本です。
非常食は「高温・寒冷」に耐えるものを選ぼう
もちろん、普通の食料品を入れておいたのではすぐに劣化してしまいます。夏の高温、冬の凍結にも耐えられる製品を選ぶことが重要です。

例えばこのように最初から「車載用」としてワンパッケージにされているものなら安心ですね。
![]() | 価格:9880円 |

内容物はこのとおりです:
・きのこごはん ×1袋
・携帯おにぎり わかめ ×2袋
・携帯おにぎり こんぶ ×2袋
・ライスクッキー いちご8枚入 ×1箱
・長期保存水500ml ×2本
・災害用携帯トイレ2回分 ×1個
非常食が6食と水が1Lに、携帯トイレ2回分か…
意外と高いんだね
非常食は過酷な環境で長持ちさせるために特殊な製法やパッケージに色々な工夫がされていて、非常時にその真価を発揮するよう特別な機能を付与された「災害備蓄品」です。
だから「普段食」とコストだけで比較するものではないと思います。
食料はOK、でも「電子機器」はNG!
「備蓄品」のくくりで非常食といっしょにモバイルバッテリーや手回し発電式ラジオ、充電式LEDライトなど、リチウムイオン電池を含む機器を車内に放置してはいけません。これらは高温環境で発火するリスクがあります。
次のJAFの実験をごらんください:
→炎天下の車内放置でモバイルバッテリーやスマホに発火の可能性!? 車両火災の危険も!
おすすめ非常食セット
自宅備蓄用
ここでは筆者おすすめの非常食を紹介します。
こちらは、非常食といえば尾西(おにし)といわれるくらいの有名どころ。
アルファ化米も随分進化しており、普通の食事としても十分美味しく食べられるのがポイント。
私も某自治体の防災課で勤務していた時、防災備蓄食料の選定に当たり色々試食しましたが、コストと美味しさからこれを選びました。自信を持ってお勧めします。

まとめ|非常食の保存場所は、命を守る準備の“あと”で考える
最後に、もう一度大事なことをお伝えします。
非常食の備蓄よりも、まず命を守る準備が最優先です。
そして、そのうえで「あなたの暮らしに合った保管方法」を選ぶことが重要です。
完璧じゃなくて大丈夫。
まずは、この記事をきっかけに、「どこに、どんな非常食を置くべきか」を見直してみてください。